YSFSでできるだけ本物のそれっぽく動くように改修を進めているS.C+mのホーネット。今回のバージョンで警告灯を搭載したり動翼の動きを実際のものに近づけるなどある程度本物らしさを味わえるようになったと思うので、さらに気分を盛り上げるためにかなり簡素ではありますがマニュアルを作ることになりました。是非一度目を通し、ホーネットでのフライトをよりお楽しみください。
ホーネットに逢おう
F/A−18A/Cホーネットはマクダネル・ダグラス社によって製造された単座戦闘攻撃機です。ジェネラルエレクトリック製F404シリーズのアフターバーナー付ターボファンエンジンを搭載しています。機体にはキャンバーに変化のある主翼、翼根から風防脇まで伸びる前縁拡張部(LEX)が装備されていて、双垂直尾翼はそれぞれ垂直から20度外に向かって傾いているのが特徴です。
システム
エンジンスタート・カット
エンジンスタートにはAPUと外部動力供給どちらかを利用できます。S.C+mでは常にAPUは常にONになっているという設定で、いつでも簡単にエンジンスタートができます。翼をたたんだ状態ではエンジンが止まっている状態を模擬します。翼を展開する際、キーを押しっぱなしでなく段階ごとに連打すると程よい感じで左右両方のエンジン火災警告灯が点灯し、エンジンスタートを模擬します。翼が完全に展開されるとEMCON表示、AOAインデクサーが点灯しアビオニクスがオンになったことを模擬します。
逆に、翼を折りたたむとまずEMCON表示などが消え、アビオニクスが切られたことを模擬します。続いてエンジン火災警告灯が点灯し、すぐに全ての灯火が消えることでエンジンカットとなります。
ただ、どうしても音のオンオフは不可能ですのでイメージで楽しんでください。サウンドオフに設定されると良いかもしれません。
コックピット
- エンジン火災警告灯
- マスターコーション
- SPD BRK(スピードブレーキ)展開灯
- AOAインデクサー
- フラップ警告灯
- フック展開灯
- 左MFD
- UFC(Up Front Control)
- 右MFD
- 中央MFD
- ギアレバー
- フックレバー
- ウィングレバー
Primary Flight Controls
一次飛行制御装置はエルロン、ラダー、前・後縁フラップ、スタビライザーです。全てパイロットの入力がコンピューターを通して電気リンクで油圧アクチュエーターに繋がっています。バックアップとしてスティックは機械的にも接続されています。
- フラップ
-
フラップはコンピューターを介し、フラップスイッチによって自動上げ、ハーフ、フルに設定できます。また、250ノットより下では、それぞれの位置に伴い飛行制御装置のモードも離着陸モードに変わります。250ノット以上の速度でフラップスイッチが自動上げ以外に設定されている場合、右DDI上の黄色の警告灯
が点灯します。実機では自動的にフラップが上がります。
地上ではフラップスイッチを自動上げにすると全てのフラップが完全に上がりますが、仕様によりフラップが完全に上がらないため地上では常にフルフラップでの運用をお願いします。
フラップ動作角 前縁フラップ 後縁フラップ エルロン YSFS 自動上げ 基本的にAOAに準ず ドループ0° 0% ハーフ 基本的に12° 最大30° ドループ最大30° 75% フル 最大45° ドループ最大42° 100% - 離陸トリム
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基本的に前縁下げ12度に設定されることが多いようです。
- 翼折畳み
-
コックピット正面右下の翼折畳みレバーを操作することで折畳み・展開ができます。翼のロックが解除されると、マスターコーションが点灯します。また、エルロンのドループが解除され、0°に戻りますが、仕様により翼を完全に折畳むことで0°になります。このときフラップがアップ位置にあるとエルロンがフラップと干渉しますので、必ずフラップはフルに下がっていることを確認してください。
- キャノピー
-
キャノピーは翼折畳みに連動してしまいます。稼動部破損を避けるため、機体が動いているときにキャノピーを半端な位置で止めたり動かしたりするなというのは無理なので、タキシングは5ノット以下にとどめてください。
- スピードブレーキ
-
飛行中は、高G、高AOA、フラップスイッチがハーフ・フルに設定されていたり速度が250ノット以下になったりすると自動的に収納されます。ただし、フラップスイッチ設定による自動収納時は、スピードブレーキスイッチを展開に維持することで開くこともできますが推奨できません。地上では普通に動きます。スピードブレーキが展開されると左DDI上に緑色で表示
されます。
- フック
-
コックピット正面右下のフックレバーを操作することで降ろすことができます。YSFSの仕様上、ブレーキ連動になります。本来通常動作では警告灯は点灯しませんが、DDIに余裕がかなりあったのでフックを降ろすと右DDIに黄色の警告灯
が点灯します。
- Gリミッター
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最大で7.5Gまでの制限が基本となりますが、緊急時はGリミッタオーバーライドすることができます。
プロシージャー
飛行前準備
パイロットはフライトプラン、ナビゲーション、燃料計算などにおいて責任を負います。飛行前に必ず万全の準備を整えてください。また、編隊長は編隊員のすべてについて責任を負います。
ブリーフィングでの確認事項
- 割り当て
-
- 機体(モデックス)
- コールサイン
- スポット
- エンジンスタート
- タクシーアウト
- 離陸の時刻
- 集合の仕方など
- ミッション
-
- 目的
- 飛行区域
- ナビゲーション上の時間
- 搭載物
- 搭載物の有無によるルート差異
- 最低飛行高度
- 兵装投棄エリア
- 連絡
-
- 周波数
- 手順
- ナビなど
- 天候
- 飛行
-
- 離陸速度、滑走距離
- 横風の影響
- 飛行高度
- ルート
- 搭載燃料
- アプローチパターン
- 緊急着陸地
地上運用
- 飛行前チェック
-
- 外部点検:ノーズから開始し、機体を時計回りに周り機体外部を点検してください。
- 内部点検
- ハーネス
- 射出座席
- 酸素関連などなど
- エンジンスタート
-
- バッテリーオン
- APUオン
- アビオニクスオン
- スロットルアイドル
- 右エンジン始動スイッチオン
- 左エンジン始動スイッチオン
- 計器チェック
- タクシー前
-
- ナビチェック
- レーダー起動
- IFF
- 翼展開・ロック
- 飛行制御装置リセット
- フラップハーフ
- トリムチェック
- フラップ自動
- コントロールチェック
- スティック引く:前縁下げ24°
- 押す:前縁下げ3°
- 右&左:スタビ差動、エルロン
- フラップフル
- ラダーペダル
- フラップハーフ
- 離陸トリム
- 給油プローブ、スピードブレーキ、フック
- APUオフ
- 燃料確認
- タクシー開始
-
- ブレーキチェック
- ステアリングチェック
- 離陸前
-
- キャノピークローズ
- ブレーキオフ
- MFDチェックリスト
- コントロールチェック
- 翼
- トリム
- フラップ
- フック
- ハーネス
- 警告灯
- 射出座席
- エンジンランナップ
- 離陸
-
制限速度を超えない範囲で離陸すること
- 離陸後
-
- ギアアップ
- フラップ自動上げ
- 上昇
-
ATCに従うこと。ただし、視界確保のため基本的に350ノットを維持すること。
- 巡航
-
最大飛行距離はAOA4°あたりで得られる。与圧・室温を監視すること。
- 降下
-
- 防氷系オン
- ナビ確認
- ILSオン
- 進入
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進入経路に従って飛行してください。オーバーヘッド進入の場合、ブレイクしたらスロットルを閉じ、スピードブレーキが必要であれば展開してください。250ノットを切ったらギアダウン、フルフラップにし、スピードブレーキが収納されていることを確認してください。オンスピード(適正速度)になるまで減速し、MFDの着陸チェックリストをチェックしてください。HUD左のAOAインディケーターの真ん中の半円二つが丸く光っていればオンスピードです。
- ギア
- フラップ
- フック
- アンチスキッド
- ハーネス
- ディスペンサー
- 射出座席
- 着陸
-
タッチダウンまで進入の姿勢とスロットルを維持してください。タッチダウンでスロットルをアイドルに戻します。フレアを使ったやわらかいタッチダウンではスロットルが完全にアイドルに戻らない可能性があるので、あまり効果率は小さくしないでください。エアロダイナミックブレーキはお勧めされません。
- 横風着陸
-
15ノットを超える横風の場合、クラブ法で着陸するとギアをいためる可能性が高いので横滑り角を半分減らし、その分ロールさせる方法が有効です。30ノットを超える横風での着陸はすべきではありません。
- ウェーブオフ
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ウェーブオフをする判断は早めにとってください。スロットルを開け、AOAを保ったまま降下率を減少させてください。ギアやフラップをあげる場合、上昇に転じるまで待ってください。
- エンジンカット前
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- INSオフ
- センサー・アビオニクスオフ
- ラジオオフ
- 外部ライトオフ
- キャノピーオープン
- エンジンカット
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必ずアイドルにして5分以上経ってから行ってください。
- フラップハーフ
- DDI,HUDオフ
- スロットルオフ
- バッテリーオフ
特殊運用
- 空中給油
-
以下のチェックリストを給油前に済ませてください。
- レーダー スタンバイ
- マスターアーム セーフ
- 燃料タンクスイッチ 選択
- プローブ 展開
- +夜の場合
- 外部ライト 高明度 (夜間時)
- 給油概要
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給油をおこうなう高度と速度は、給油を行う側と受ける側の飛行特性などに合わせて決めてください。
通常は〜40000ft、200〜300ktの範囲内で行ってください。
ただし、KC−135、KC−10などの場合はそれぞれの超過禁止速度、巡航速度に応じます。
- アプローチ
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ドローグから5メートルほどのところまで給油機を目安にゆっくり接近し、一度その位置関係を維持します。
その段階でトリムを調整し、小さいスロットル操作で徐々に近づきます。
このときの接近速度が5ノット未満になるように調整してください。
接近が速いとコンタクト時にホースを大きくたるませ機体に当てかねませんし、遅いとそれだけノーズの周りでドローグを遊ばせることになるので気をつけてください。
接近の最終段階はホースとドローグの見え方を目安にします。最終段階において微小な舵使いでコースを修正するのは許されますが、大きく操作をしないとコンタクトできないようであれば1からやりなおすようにしましょう。
もしドローグのバスケットよりも前にプローブが行ってしまった場合は、速やかにやり直してください。
ただし、この際も大きなスロットル操作は行わず、5ノット弱で給油機から離れるレートを維持してください。
- 離脱
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やり直しの際と同様、5ノット弱のレートで離れ、安全な距離を確保したらプローブをしまって給油機の後ろを離れましょう。
運用制限
- 速度制限
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下記の条件あてはまる場合は制限速度以内で飛行してください。
- 給油プローブ
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- 作動:300kt
- 展開時:400kt
- ギア
作動:250kt
- タイヤ
地上滑走:200kt
- フラップ
操作:250kt
- キャノピー
オープン:60kt
- 外部タンク装備時
マッハ1.5
- フラップ展開時のバンク制限
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- クリーン:90度
- 有搭載物:45度
- 全般
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- 速度0失速
- 雷の中
- 低い残燃料での急降下
- 0G維持
- 15kt以上の横風成分での編隊離着陸
- 30kt以上の横風成分での離着陸